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VOL.172 [デーリィマン誌 2014年6月号]

哺乳・哺育時期の体づくりに欠かせない哺育用ビタコーゲンとHIビタコーゲン!

標茶町育成牧場 北海道川上郡標茶町字標茶788番5 TEL:01548-6-274

 数多い北海道の公共牧場の中で、育成技術の高さで定評ある釧路管内標茶町の標茶町育成牧場。町の中心から北東に15kmほどの多和平丘陵地にあり、“地平線の見える大牧場”としても広く知られる。
 牧場の総面積は2,128ha (放牧・採草地1,606.3、原野山林411.7、建物敷地53.2、その他56.8)。現在は今年5 月に入牧した450頭を加え、哺育牛360頭を含め2,700頭余(道内1,800、道外900)が預託されている。
 牧場の歴史は古い。かつては固有地で戦時中は軍用馬の育成が行われていた。戦後、開拓農協が土地を買い取り、共同採草放牧地として利用が始まったのが昭和20年。42~46年には町が実施主体となり国営大規模草地改良事業で草地改良・施設の整備が進められた。43年に育成牛の受託を始め47年、標茶町多和育成牧場として乳用後継牛の周年受託育成事業が本格化した。61年には標茶地区国営草地開発事業により上オソベツ地区の草地造成・基盤整備を実施・編入し、標茶町育成牧場として再スタートし、その後数回の整備事業を経て現在に至る。
 現在の事業は育成と哺育が2本柱。
 育成事業は、農家から預かった生後6カ月齢以上の雌牛を放牧育成し、13カ月齢・体重350kg以上を目安に人工授精を施し、2カ月後に妊娠鑑定を行って受胎を確認、分娩予定1 カ月前に退牧させ畜主に戻すシステム。
 哺育事業は、酪農経営の多頭化と労力不足を補う目的で始まった。18年から2年の試験期聞を経て、酪農家のニーズが高いことと事業として成り立つことを確認し、哺育施設を整備するとともに哺育センターを設置して、20年から本格的な哺育事業が始まった。
 初乳授乳済みの生後4 日の子牛を預かる。最初の3日聞は、子牛が牧場に合わない菌を保有する場合があるため、子牛の体内にある菌をリセットする期間。それが済むとカーフハッチに移し、有用菌を含んだ牧場独自の人工乳を2~3週間給与した後、哺乳ロボットによるぺン飼いに移行する。40~45日で離乳し、6カ月齢まで体重ごとの群飼いにより哺育が終了。その後は育成ステージに入る。
 育成事業の現状を「酪農家戸数が減少しているが、9年から預託頭数は毎年増加している。栃木、愛媛県などからは40年代から継続力一フハッチ牛舎内で哺育用ビタコーゲンをカーフハッチから哨乳ロボットが設置されてして預託希望が入っている」と話すのは山崎家畜係長。「府県の農家になぜ私どもの牧場に預託するのかを聞くと、夏場の暑熱対策に加え、『下牧後の牛に肢腰の強さと食い込みの良さを感じる』と言う。傾斜放牧地なので草を求めて牛が歩くため肢腰が自然と鍛えられ運動量も多い。そのため牧草の摂取量も増え、消化器官の機能も向上する相乗効果が得られると推測している。人間も幼年期によく食べ、運動して体を鍛えると、大人になっても健康なのと同じだと思う」

哺育担当スタッフ左から山梅和綬さん、村山美智子さん、村山さつきさん

 一方の哺乳・哺育に欠かせないのがピタコーゲン。哺育センターでは、20年から哺乳・哺育牛に哺育用ビタコーゲンとHIピタコーゲンを給与している。晴育用ビタコーゲンは生後7日から離乳まで、1頭当たり1日20gを人工乳に混ぜて飲ませる。HIビタコーゲンはぺン飼い時期のスターターに混ぜて給与し、離乳から5カ月齢までは配合飼料に混ぜて、1頭当たり1日100gを目安で与える。
 哺育を担当するスタッフは、村山美智子さん、山梅和枝さん、村山さっきさんの3人。
 牧場では、効果的な飼料や添加剤を得るため新製品などの情報を常に収集している。新製品などは対照区を設定し給与効果を比較調査して効果が高いものを厳選して採用する。調査は毎年、数種類に及ぶが、数ある哺育・育成用の微生物資材の中から選ば、れているのがピタコーゲン。担当の山梅さんは「子牛に哺育用ピタコーゲンを給与してからは下痢が長引かない。以前は脱水状態になる子牛もいたが、給与後はそのような状態になることはなく、下痢になっても短期間で回復してしまうん山崎係長は「l庸育から育成期間の体づくりが、その後の牛の一生を左右する。離乳の立ち上がりの時期に、いかに乾物を食い込ませで消化器官を発達させるかが重要。その時期に下痢が長引くと免疫力が落ちて風邪から肺炎に至るケースもある。胸腺も育たなく、一生それを引きずることになる」。村山さんは「HIビタコーゲンを給与してからは、離乳時のスターターの食い込みが良く、離乳後も乾物の食い込みが向上した」とHIピタコーゲンの効果を話す。
 町内酪農家の平均産次数は2.4~2.6。「1産多く搾れる牛を戻してあげよう」が哺育担当スタッフの合言葉。「哺育からだと生後4日目から預かるため、乳牛の将来はここでの育成に懸かっているといっても過言ではない。合言葉の実現に向けて、哺乳・育成時期の牛体づくりにビタコーゲンは欠かせない」と山崎係長と哺育担当スタッフのビタコーゲンへの期待は大きい。

  • 離乳後の哺育牛舎。配合飼料にHIビタコーゲンを添加する
  • 力一フハッチ牛舎内で哺育用ビタコーゲンを混ぜた人工乳を授乳
  • カーフハッチから哺乳ロボットが設置されているペンで群飼い